毎日マーチ

その時彼女は、気管支炎がレントゲンに映るのはどうしてなのか、理解できないままでいた。
「心の炎症も真っ白に映るのかな」なんて、有り余るメランコリーを今日も弄ぶ。

続けて歌う。

「幸せは歩いてこない だからかすめに行くんだよ」

先程、友人と歌詞解釈をした。

素の歌詞をどうにもこうにも思い出せず、否、思い出してはいるのだが、幸せも歩いているうえ、私たちも歩いている違和感に気が付いてしまったのである。

幸せとは、動く点Pだったというのだ。
一体全体時速何キロで移動しているというのか。
はたまた、時速何キロでそれを追いかけるのか。
私たちには、「三歩進んだら二歩下がる」決まりがあると言うのに…
いつまでも幸せになれないのか??????

しかしながら、私たちヒトは、忘れ物をした弟を自転車で追いかける兄さながら、時たま駅伝出場者もびっくりな速度で追い上げを見せ、動く点P、幸せとやらを追いかけているということなのか?

いや違う。私たちは徒歩だ。そんなマッハで進む人間を一歩や二歩でカウントするヤツがどこにいる。

議論は聖火のごとく熱く燃え上がり、私たちが出した結論はこう。

「幸せとは、カタツムリである。」

歩いてもいない、けれども進む。追いつける速度。間違いない!幸せはカタツムリだ!Q.E.D.


途中途中でふっとはみ出た笑い声。燻らせたメランコリーが、強さに代わる音だった。